麒麟のたてがみ

読書日記

生贄の木

初読みの作家さん


届いた時に 厚さに(基本的に長編は大好物なのだが) もし「はずれ」だったらどうしようと ちょっとひるんでしまったが それは杞憂だった

スピードにのって どんどん展開が進む...というようなミステリーではない
だが 文章 構成が冗長にならず 引き込まれていく

私は アメリカのミステリー サスペンス 刑事もののドラマをよく見るので
書かれている 登場人物たちの ちょっとした仕草などが ありありと
目に浮かんで それも 引き込まれた要因のひとつかもしれない

それに 登場する人物 たとえそれが ほんの少しの出番でも
一人一人が 個性的で とても印象に残る

くどくどと 登場人物が自分の思いなどを語るのではないのに
しっかりと その人物のことがわかる..ような気がしてくる

その最たることが 主人公のマロリーだ

私は シリーズの他の作品を読んでいないのだが
マロリーが どんな雰囲気のどんな人物なのか しっかりと
私の中で かたちづくられて 読み終わるのが残念なくらい
面白く読むことができた

この作品は シリーズ10作目らしいが 是非最初から
このシリーズを読んでみたいと 心から思った

 

 

 

生贄の木 (創元推理文庫)

生贄の木 (創元推理文庫)