麒麟のたてがみ

読書日記

2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

宝石鳥

うーーーん 物語の紡ぎ方や文章は うまいと思うけれど 私の好みではなかった 物語の骨は2.3行で語れる それに 盛大に肉をつけて 浪漫という塩を振った という感じ それを考えると宝石鳥というタイトルは言い得て妙かもしれない 派手さ加減が.. 絶讃の評…

湖畔荘(上

過去と現在を行き来し 視点も何人かで変わる この作者さん2冊めで慣れたのでこの作品は 始めからどっぷりと浸ることができた ダウントンアビーとマープルを足して煮詰めて いろんなスパイスを入れた感じ とにかく面白い まだ下巻が残ってると思うと幸せ 湖畔…

湖畔荘(下

下巻は一気読み。 めでたしめでたしの大団円。 読み応えたっぷりでちりばめられた謎もすべて回収し非常に面白かった。 だがいろんなミステリーを読んでいる私としては 上巻の英国らしい重苦しさがいきなりメロドラマちっくになり 都合良すぎて特にバーティー…

ハリー・クバート事件

下巻も一気読み。 まるで映画やドラマを見てるようで面白かったし 翻訳が「アレックス」シリーズと同じ方だったので違和感なく読めた。 ただ上下巻で1000ページほどになる長編なので 途中でまどろっこしく飛ばし読みしたくなる箇所もあったが.. とても…

三鬼

三島屋シリーズ四 それぞれの話が重く辛く でも温かく心に染みいる物語だった。 「人の世は思うに任せぬ。悲しい悔しい腹が立つ。.. でも後ろばかり向いていたら後ずさりで生きる事になっちまう」 宮部さんの現代物は同じように重く辛いものが多いけれど …

石と星の夜

作り上げられた世界観の中穏やかで濃密な雰囲気は前巻よりも増している。 ゆっくりと丁寧に物語りは進んでいくので その点は評価が分かれるかもしれないが 私的には 決して冗長になってるとは思わないので この雰囲気のまま先を進めて欲しいと思う。 大切に…

スノーマン

面白かった!句読点の多い文に慣れてからは一気読み。 登場人物の個性が際だち ほんの小さな事が伏線になっていて 最後にはそれが全て回収されて(ある一つを除いて)満足とともに感心した。 ストーリーは二転三転複雑なので好みが分かれるかもしれない。 「ア…

縁見屋の娘

なんとも不思議な感じの本だった。 時代物で ミステリーのようでファンタジーのようで 恋物語のようで.. ひとつ間違えれば全てが中途半端で 物語が台無しになってしまいそうな所を 危うい瀬戸際のところで踏みとどまったような感じがした。 それが作者の力…

蜜蜂と遠雷

2次予選のあたりまでは引き込まれ一気に読んだ。 がそこから先は正直退屈で読むのが少し辛かった。 絶讃のレビューばかりだけれど.. 恩田さんの本は何冊か挑戦したけれど やはり私には合わないようだ。 言葉の装飾を削ぎ落とした後に残る骨格は ありふれ…

魔導の福音

前作と同じで物語としては面白い しかし前半のハリポタのような学園生活は楽しいのだが そこと後半がばらばらで中途半端で ただアニエスに出逢う為だけという感じでそれだと長すぎる。 相変わらず世界観は希薄で魔導士に対する扱いが陰湿すぎて気持ちが悪い…

魔導の系譜

面白かった。 しかしファンタジーを読んでいるという感じは薄かった 異世界の物語だがそれに伴う世界観がほとんど見えてこないからだろう。 作者は少数派に対する差別を心底伝えたかったようだが(続編でも同じらしい) 魔導師に対する蔑視にここまで固執する…