麒麟のたてがみ

読書日記

ツナグ

辻村さんの本は もう卒業と思っていたが「新潮文庫夏の100冊」に入ってたので おまけのつもりで読んだ。

がとても良かった。

「冷たい校舎~」からの作品はずっと面白かったのだけれど 

途中で この部分必要かな というような中弛みというかそこで 

流れが止まってしまうような部分が少なからずあって

気になっていたのだが、このツナグを中心にしたオムニバスは、

そういう部分が無く ぎゅっと凝縮され

一気に最後まで心を運んでくれる。特に「親友の心得」は圧巻だった。

 

 

ツナグ (新潮文庫)

ツナグ (新潮文庫)

 

 

折れた竜骨

一気読み♪魔術が少し顔を出すファンタジーの味つけのミステリー。

最後の謎解きの部分は まるで クリスティーのポアロの謎解きのようで 

思わず笑みが浮かんだ。

前半から少しずつばらまかれたほんの小さな言葉 出来事が伏線になって最後に 

ああなるほど と感心した。

この感じは まさにクリスティーの「アクロイド殺人事件」のようだった。

あの時の感動でミステリーが大好きになったのだ。

それを思い出させてくれた 王道のミステリーだった。楽しませたもらった♪

 

 

折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)

折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)

 

 

紙の月

前半 同級生から見た過去の梨花と同級生のその時の状況の話が

何故必要なんだろうと思っていたのだが 後半読んでるうちに 

これらは必要なんだと思えた。

無ければ ただの思い込みの強いネガティブで

自分の事しか要は考えてない女の言い訳の話..

で終わってしまった気がする。

梨花という人間に厚みを持たせる為には必要だったのだろう。

誰にでも 魔が刺す瞬間はあるという部分はリアルに書かれていて怖くなる。

が やはり 人としてぎりぎりのところで踏ん張れない

梨花は好きになれない。

こういう弱い人もいるのよというのはわかるが嫌いだ。

 

 

紙の月 (ハルキ文庫)

紙の月 (ハルキ文庫)